どうも、こんにちは。mipig責任者兼マイクロブタブリーダーの皆川 竜二です。

ブタさんは頭が良いと言われていますが、果たして記憶力はどれくらい良いのでしょうか？知能レベルでは3歳の人間と同じくらいと言われていますが、記憶力はどうでしょうか？

一般的には素晴らしい長期記憶を持ち、過去の間違いを学び、同じミスは二度と犯さないように行動すると言われています。ただどれくらい昔の記憶を持っているのかは計測が困難です。その理由として、習慣付いているものかどうかの判断がつきづらいからです。例えば人間は初めて靴紐を結べるようになった日を覚えていなくても、迷うことなく靴紐を結ぶことができます。体に染み付いた習慣だからです。なので習慣付いたものではないところで記憶力を測る必要があります。

シオンに嫌われた話

mipigファームでもカフェもワクチンは基本的に獣医師監修の元、私が打っています。ファームでワクチンを打つと、ブタさんは注射が痛いなので、私に対して“嫌なことをする人だ”という認識を持ちます。そのため、数日間はブタさんから警戒され、嫌われてしまいます。また日々のふれあいを通して、少しづつ信頼を回復し、仲良くなります。そしてまた半年後にワクチンを打つ、というサイクルが続きます。ブタさんに嫌われてしまう役割を担うことは悲しいですが、ブタさんのためにも仕方がありません。



基本的に山梨ファームに在籍していたので、出張でカフェにワクチンを打ちに行ってました。ファームでの仕事が忙しかったので、滞在することなく、すぐに山梨に帰っていました。いつもと同じように、半年後、カフェにワクチンを打ちに行ったときに事件は起きました。



目黒店にいるシオンというブタさんが私のことを警戒し、足を噛んできたのです。カフェスタッフやお客さんからは、シオンは非常に温厚で人好きなブタさんだと知られていました。人を警戒する行動はもちろん、人を噛むことは一度もなかったのです。注射器を出すと、その警戒っぷりは増し、逃げ回り、騒ぎたてました。どうやら半年前の出来事を覚えていたようです。

シオンは大人であったため、脳も発達していて、他の子ブタさんたちは覚えていない半年前の記憶が残っていました。ファームのブタさんの場合、毎日のふれあいで、少しずつ信頼関係を回復することができますが、シオンとはファームとカフェに物理的に距離があったため、ふれあいが出来ず、信頼関係の回復が出来ませんでした。そのため、警戒され、攻撃されてしまったのです。



また数ヶ月後にカフェに訪れたときも同じ反応でした。ブタさんは犬よりも嗅覚が強いですが、視力はあまり良くないため、視覚情報よりも嗅覚に頼ります。臭いで覚えていたのでしょう。



信頼を築いていくことは地道ですが、失うことは簡単です。ブタさんは頭が良く、嫌だったことをを覚えているという前提で、ブタさんに接してあげましょう。

●● mipig 責任者 皆川 竜二

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