【獣医師監修記事】マイクロブタさんの蹄について
2023年01月12日
健康・病気マイクロブタさんは伴侶動物の中では珍しく蹄(ひづめ、てい)をもつ動物です。
今回は、日常生活ではなじみのない蹄について、ご紹介します。
ブタさんの蹄がどのようなものなのか、足裏の名称などをお伝えします。またワンちゃん、ねこちゃんとは異なった伸び方をする蹄の爪切り方法もぜひ、ご参考にしてくださいね。
ブタさんの足の特徴は?足裏の名称は?
ブタさんの足の特徴を知るために骨格図を見てみましょう。
まずブタさんの足は親指が退化してなくなっており、指は4本で構成されています。
その4本のうち真ん中の2本を使い地面に立っています。この2本は主蹄(しゅてい)と呼ばれ、人間の中指、薬指に相当します。2本指ですが主蹄の底は面になっていて比較的安定し力強く地面を蹴ることができます。主蹄の両隣に副蹄(ふくてい)と呼ばれる小さい2本の蹄があり、通常は地面に着きませんが、大きいブタさんでは後肢で踏ん張るときに着くこともあります。この副蹄は人差し指、小指に相当します。
次に蹄の裏を見てみましょう。
爪(青い線)に囲まれた少し張った感触の部分①は蹄底(ていてい)といい、その後ろ側のやわらかい部分②は蹄球(ていきゅう)と呼びます。両部分とも年齢を重ねるにつれて人間の足裏の様に皮膚が硬くなります。爪切りの際に蹄底まで切ってしまうと出血しますので切りすぎないように注意しましょう。
地面へのベストな蹄の着き方は?
養豚分野ではブタさんが立っているときは、蹄底部分が地面に着くのが基本形だといわれています。しかし、姿勢、足首やつま先の柔らかさによっては蹄底と蹄球がつくブタさんもいます。
カフェの大きいブタさんでもどちらのパターンも見られます。
こちらは蹄底のみ地面に着いているブタさん
こちらは蹄底と蹄球で地面に着いているブタさん
伴侶動物であるマイクロブタさんにとってはこの着き方がベストという足の着き方はなく、ブタさんごとの特徴と考えて良いと思います。おうちのブタさんの足の着き方に則って爪も整えていきましょう。
一方、爪の伸びすぎなどによるつま先が反ったような蹄の着き方(蹄球はついているが蹄底は浮いている状態)は体重を十分に支えられなくなる可能性があるので、蹄底が地面に着くように爪を切って整えてあげましょう。
蹄の伸びすぎに注意!定期的な爪切りが大事です。
ブタさんの蹄は蹄底を取り囲むV字の爪の部分が伸びます。伸び始めはV字の爪全体が立体的に伸びてきますが、少しずつ前方に向かって伸びることで結果的に先が伸びてきます。
長期間爪切りをされていないブタさんの爪は下の写真の様に魔女の靴のように先が伸び反ってきます。
こうなると足先が地面に着かなくなるので蹄球のみでつくようになります。また爪がねじれて伸びることで蹄に普段と異なる力がかかります。このような状態では体重をうまく支えることができず足を痛める要因になります。
そのため、ここまで伸びないように少しずつでいいので爪を切るようにしてあげてください。
爪切りが苦手なブタさんは多く、ご褒美を用意し、機嫌を見ながら少しずつ慣らしていきましょう。
爪の切り方や慣らし方に関して、マイピッグカフェ大阪店のインスタライブでの爪切りレクチャー動画がありますので、視聴していただき参考にしてみてください。
まとめ
・ブタさんは主に2本指で立っているが足先が蹄という構造になっているため比較的安定して立つことができる。
・蹄の地面に着く面は蹄底、蹄球という部位があり、ブタさんによって地面の着き方に差がある。
・蹄の伸びすぎは、蹄をしっかり地面に着くことができなくなるため足を痛める可能性がある。
・定期的な爪切りによりブタさんの足に負担がかからないようにケアしてあげることが大事。
人間の爪もそうですが、気付いたら伸びているのが爪です。
定期的な爪切りを通して、スキンシップをとり、ブタさんごとの性格や表情を深く知れる機会にしていただければと思います。
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mipig 編集部
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